◆十八番(藤本なおや議員) 議案第八十八号、教育委員の任命同意について、杉並自民議員倶楽部を代表して賛成の意見を述べます。
 まず、賛成意見を述べる前に、今し方の、議案第八十七号、大藏教育委員の任命同意について一言申し上げたいと思います。
 議案に対する賛否ということについては、各議員それぞれ考え方がありまして、そういうことで反対をするということについては承知をしておりますけれども、しかしながら、反対の意見だけを述べておきながら採決には参加しない、こういうことの行為については、区民から選ばれている議員として、その負託を放棄していることでもあり、議会としての品格、品位、こういったものを問われる異常な行為である、また、民主主義を根底から覆す行為であると厳しく指摘をせざるを得ないことを一言申し添えておきます。
 そこで、賛成理由を述べさせていただきたいと思います。
 賛成理由の第一は、宮坂公夫教育委員がこれまで取り組まれた実績を高く評価している点であります。
 宮坂氏は、教育委員として二期八年、任意出席でもあります各学校の研究発表会や運動会、文化祭などにも、日程が重ならない限り積極的に学校現場に足を運び、つぶさにご自身の目で現状を認識し、また、校長並びに教職員の声を聞きながら、学校で抱えている諸課題に対応されてきた姿勢は高く評価をするものであります。また、その上で、学校はいかにあるべきか、教員はいかに子どもたちと向き合っていくべきかということについて、独自の信念をあわせ持ちながら、積極的に教育委員会で発言をされ、その成果が杉並教育改革として着実に結実をしているということについて大変評価をしておりまして、さらなる教育の発展に期待をするものであります。
 賛成理由の第二は、宮坂氏自身の経歴から見る人物として、教育委員として適格であると考えるからであります。
 現在、杉並第四小学校で行われております幼小連携教育は、健全な子どもたちを継続的に育成することを目的として、平成十七年度よりスタートいたしましたが、私も同じ地域に住む人間として当該学校を見ており、実際子どもたちにありましては、年少者を思いやる心というものが芽生え始めているなど、教育の一貫性という目的以外の副次的な成果を上げており、保護者はもとより、学校を支える地域住民からも好評を得ております。このことから、幼小連携教育は、これからの杉並区の教育行政を行っていく上で非常に大切な施策の一つであると考え、宮坂氏におかれましては、私立幼稚園の経営者という経歴からも、幼小連携教育や就学前教育の必要性について見識が高く、今後の成果の検証を初め、これらの方向性について検討するに当たって、その経験則からも欠くことのできない人物であると考えております。
 賛成理由の第三は、宮坂氏の教育に対する考え方についてであります。
 昨今、我が国の教育は、犯罪の低年齢化などに見られるように、マナーや道徳意識の低下は憂慮すべき問題となっております。このような中、宮坂氏は、他者を思いやる気持ちをはぐくむことが大切であるとの考え方から、学校教育以外での家庭内教育の必要性やしつけの重要性はもとより、心の教育の大切さについて確固たる信念をお持ちになられながら、これまで教育委員という立場で発言をされており、今後も宮坂氏のこのような考え方は、杉並区の教育に生かされていくべきものと考えております。
 以上、三つの観点より賛成理由を述べてまいりましたが、なお、最後に、教育委員の男女比率について問題視をする意見も先ほどございましたけれども、このような構成比率だけで委員を選出することについては、子どもたちへの教育を真に考え、本質的にとらえているとは思えず、非常に短絡的な見方と言わざるを得ません。私どもは、もとより男女共同参画社会の構築には賛同するものでありますが、真の男女共同参画とは、男が何人とか、女が何%占めなくてはならないとか、こういった構成の結果を求めるものではなく、すなわち性差によって門前払いをするような社会であってはならないと思い、よって男女に関係なく人物本位で選ばれていくことが結果的に共同参画の目指すべき、あるべき姿だと考えております。
 本議案を顧みても、区側も、杉並の教育にとってどのような人物が適格であるかを多角的に、かつ総合的に勘案をし、こうした大きな視点を持って提案されたものと理解をしておりまして、性別におけるバランスについては問題ないものと、最後に意見として付しておきます。
 宮坂氏におかれましては、引き続き未来ある子どもたちのために教育改革にご活躍されることを期待をし、賛成の意見とさせていただきます。